CESレポート パーソナルモビリティ編

 今回のCESでは色々な形のパーソナルモビリティが出展されていました。とは言え、このジャンルの先駆者的存在であるセグウェイの展示は無しです。多分、これといったアップデートが無いためだと思われますが…。

今回はタイプ別に紹介していと思います。

☆キックボード型
 この形は、多分現状で一番現実的に街を走りやすい形なんじゃないかと思います。ちなみに、下の写真はecoreco M5 E-scooter。
 まず、一番のメリットは操作がし易いということ。キックボードに乗ったことがあれば、ほぼ難なく乗ることが出来ると思います。あと、これが意外と大事なんですが、後述する他のタイプのモビリティと違ってブレーキがついています(他のタイプは物理ブレーキを構造上付けられないものが多い)。緊急時にしっかりと止まれる、と言うのは普及にとって大事なんじゃないかと思います。
 更に、従来のキックボード同様に折りたたむことによりかなりコンパクトに収納、持ち運びが可能になります。駐車(駐輪)する必要もないため、鍵などの付帯装備を持ち歩く必要もないのもメリットです。
 また、値段もM5Scooterで$1250と、安くは無いものの他のタイプのものよりもかなりお安めです。

 さて、ecoreco単体としての感想ですが、先述の通り、とても簡単に乗れます。僕も一発目で難なく乗れましたし、他の人も特に問題は無さそうでした。ただ、セッティングとして、アクセルがちょっと握っただけで急に加速を始めるのでカクカクします。また、グリップを離した瞬間急に減速するのでこれもまたガクッと衝撃が来ます。車でアクセルを離した後もある程度自然に転がるという感覚はあまり無いです。なので、スムースな運転のためにはハンドルをかなり精密にコントロールする必要があります。 また、バックの機能はついていないんですが、バックするときは一旦降りて持ち上げてクルッと回転させるだけなので、その機能はそもそも要らないんだと思います。
 個人的にはもうちょい安くなったら本当に買っちゃうなー、と言う感じでした。


☆ローラースケート型
 ローラースケートにモーターとバッテリつけちゃいました。みたいな感じのものです。写真は上がSASの"Rollerkars"、下がActonの"Rocket skates"です。ちなみに、Rollerkarsは本当にローラースケートにモーターがついたという形を指定ますが、Rocket skatesの方はかかと部分に靴の上からローラーを取り付ける、という装着方法になっています。
 残念ながらRollerkarsの試走はできなかったので、Rocket skatesの感想。まず、これを足につけた後ですが、つま先は元々履いている靴が露出している状態なので、かかとに体重をかけなければ歩くことが出来、必要になったらかかとに体重をかけてローラー走行ができるという、一時期流行ったHeelysと同じ思想で作られています。
 ただ、実際それが可能かというと、あまり現実的ではないです。と言うのはこの装置、片足3kgもあるんです。走っている間は気になりませんが、歩こうとすると重さが半端ないです。正直数100メートルも歩くのはしんどいかなと思います。しかも、かかとにでっかいローラーが付いているので、階段を降りることはほぼ不可能だと思います。
 走行感ですが、難易度は中、って感じかと思います。まず立った状態で電源を入れ、前に出す足を前に滑らせながら反対側の足で後ろに蹴る、と言う形で走行開始します。一旦滑りだした後は、セグウェイなどと同様、靴を前に傾けると加速、後ろに傾けると減速します。ここまでの手順ですが、最初は補助者に支えてもらわないと結構怖いです。ちょっと練習がいる感じです。人によっては10分くらいずーっと補助者に抱きついたままの人もいました。ローラースケートに慣れていないと難しいかもしれません。
 さて、ターンをするときはどうするかというと、左右足の傾け角度を微妙に変えることで速度差を出しターンをします。これがかなり難しい。遠心力で片足に重心がかかりつつも、適切に傾き角を調整しなきゃいけないので結構難儀します。
 結構難易度は高いこいつですが、それはそれで上達していく楽しみもあると思うし、地面を蹴らずにツーっと進んでいく感覚は楽しいです。モビリティとして、よりは新しいスポーツ用品みたいな感じであればかなり面白いかと思いました。ゆくゆくはエアギアになるのかな?




☆セグウェイ/ウィングレット型
 これはいろんな形のが出ていましたし、ほとんどに試乗しましたが、全てセグウェイか、トヨタのWingletか、中国のロビンの焼き直し、と言った感じでした。個人的には新しいことはほとんど無かったのですが、このジャンルが今のスマホ業界のように、どこでも部品と軽くソフトを揃えれば参入できるジャンルになってしまったんだな、と言う危機感を持ちました。多分きちんと差別化をしないとどんどん価格競争の波に押し流されて利益の出ないジャンルになってしまうと思います。



☆一輪車?型
 写真はninebot one他にも観た気がするんだけど、写真が発掘できなかった…。これは、写真ではよくわからないかもしれないけど、一つの大きな車輪がついていて、その左右に足を置く部分があり、そこに立つことで乗る形の乗り物です。この構造のおかげで全体的にかなりコンパクトに作られていて、持ち運びも簡単です。
  前後移動を重心移動で行うというところに関しては他の乗り物と同じなんですが、決定的に違うところは左右の移動とバランス取りがこいつ自身では出来ないということ、そういう意味では操作感は一輪車にかなり似ています。ターンは上半身の動きを使って行きたい方向に機械を向ける、また、左右方向のバランスに関しては前後の移動を継続的に行うことによって自転車や一輪車のようにバランスを取るという形になります。このため、前後に常に動き続ける必要があり、限られたスペースしか無いCESの会場内では相当乗るのが難しかったです。展示の担当者が乗り方を見せてくれましたが、それでも数秒がやっと、と言う感じでした。個人的には、足置きの下に補助輪を仕込んだほうがいいんじゃないかなと思いました。



☆操作レバー無し型(IO HAWK)
 感じとしてはトヨタのwingletからハンドルを取っちゃったっていう感じですね。セグウェイは旋回動作は足では行えず全てハンドルで行うので、そういう意味ではサイズ以外の点でもwingletに近いと思います。ただし、これは旋回動作は左右のステップ部をツイストすることによって行います(wingletは左右にチルトさせる)。
 操作感としては、やはりハンドルが無い分若干不安だけど普通に乗る分には問題ないな。と言う感じです。なにより、この構造により圧倒的に小型化ができているのでそこまで考慮すればこれで十分満足だと思います。値段も$1800と、高いとはいえ別に買えるっちゃ買えるなと言う値段でした。せっかくなので、下に紹介動画を載せておきます。


☆その他
 他にもなんだか色々ありました、写真だけ載せておきます。



 
 全体的な感想ですが、どれも普通に買ってもいいし、買いたい人はいくらでもいるだろうなと思いました。ただ、日本では法規制の問題があって外で動力によって動く乗り物に乗ることは難しいこと、アメリカでは自由とはいえそもそも国が大きすぎてパーソナルモビリティでカバーできるエリアが狭いことと、遠出の際は飛行機を起点にした移動になるので飛行機に持ち込めるサイズまで行かないと使い勝手が悪いっていうことがネックになるかなぁ。と思いました。

コメント

  1. 結局、とりあえず一番良いのは キックボード型という事に決まりみたいですね。
    ローラースケート型にも期待を寄せたいが、まだ黎明期。

    セグウェイ型 は 比較的欠点は少ないけど、ごつすぎ大きすぎ重すぎで飛行機どころか電車バスにすら持ち込み難い代物になって仕舞っている点が難点。

    操作レバー無し型(普通に言うミニセグウェイ)は、小型軽量にできるのは良いですが、安定感のなさはちょっと不安程度の問題では済まなそう。車輪が小さいのでちょっとした段差とかにも弱く、踏み板が小さいしつかまる所がないのですぐ踏み外してしまい(落車)、遊びに適切な場所で乗っているのならよいが公共の場ならたちまち後続車に跳ねられ…所詮玩具とはこの事。慣れれば…と言われても原理的に問題があるのでは如何ともし難いです。
    ミニセグウェイ型や一輪車型は所詮玩具は否めない。普通の道では荷物として持って歩き安全な場所だけで乗り普通の道に出たら降りる(これでも多少の時間短縮効果はあるかも)という使いかたをするものか?

    PS.
    セグウェイやローラースケートでは、いきなり車輪に急ブレーキを掛けたのでは前に倒れてしまうので、急停止するためには先ず車輪を前に蹴り出してから車輪のブレーキを扱う必要があります。
    車輪を前に蹴り出す動作は人間の足でしか行う事が出来ず、ブレーキは機械でしか掛けられないのでこの二つの動作の協調を保つのは困難…という理由で大抵の製品にはブレーキが付いていなだけです。
    或いは、件の電動ローラースケートで最大体重の人が最高速度で車輪を前に蹴り出すと同時にリモコンのブレーキボタンを押したと仮定するとその瞬間数キロワットの回生電力が制御回路に流れ込んで来る計算になり、200ワット出力前提の制御回路に耐えられる筈はない。ちゃんとブレーキを掛けられるようにするためにはモーター/制御回路の大幅増強が必要…という理由のためブレーキは端折っているのかもしれないです。

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