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アメリカに住んでいると、交通事情が全くと言っていいほど日本と違うので、自然と「理想の移動手段ってなんだろう?」って言うことを考えてしまいます。
言うまでもなく、アメリカは世界一の先進国ですが、ほとんどのエリアではと言うか全てのエリアでかも知れませんが、公共交通機関の利便性は劣っています。電車の本数は少ないし時間通りに来ないし中の治安と言うか空気が悪かったり…。唯一優っているところは飛行機網ですね。これは逆に比較の仕様がないくらい凄いです。日本では考えられないくらいのでっかい空港がアメリカには何箇所もあります。
今ある色んな交通手段が今後どうなっていくか、あと、どういう成長余地があるのかをちょっとまじめに考えてみたいと思います。ちなみに、基本的には旅客輸送の話だけを考えます。
☆飛行機
飛行機のメリットはたくさんありますが、一つはスピードです。飛行機の巡航速度は対大気速度で900km/hにもなり、新幹線の3倍の速度で飛んでいます。しかも、地上の地形の影響を(ほぼ)受けないので空港から空港へ一直線に飛んで行けます。これによって実際以上に他の乗り物よりも速く目的地につけます。 また、道路や線路を必要としないことから、新しくここからここへの路線を作ろう!ッて思った時に、さくっとそこを飛ばすだけでできちゃうのもメリットです。実際には両方の空港に離着陸できる機体を調達したりといった作業が必要にはなりますが、何年もかかって線路をひいたりする作業に比べれば格段に楽でしょう。また、他の公共交通機関より燃費が悪いとはいえ、自動車よりは一人あたりにかかる燃料費が安いのもメリットです。
デメリットですが、まずは、空港が無いと基本的に離着陸できないことです。また、遠くから直行便を出そうとするとその距離を飛べる大きさの飛行機をあてなければならず、そのサイズの飛行機が離着陸できるサイズの空港を作らなければならない、と言うことになります。次の悪いところは、天候などの外的要因にダイヤが影響されやすいことです。また、機体のトラブルなどにより飛べない、と言う自体も他の交通手段に比べたら頻繁に起こります。また、搭乗や滑走路内での待機などでかなり時間を費やしてしまうことや、空港までの移動やチェックイン、手荷物検査などで時間を撮られることも問題です。東京大阪間だと、飛行機に乗っている時間は新幹線の半分くらいなのに、実際に目的地に着くのは新幹線より遅い、なんて事にもなります。あとは、荷物の量に制限があることとかでしょうか。
さて、今後の飛行機の伸びしろですが、1.速さ(早さ)、2.料金、の二点で考えたいと思います。
まず、1ですが、旅客機と言う点で考えると、単純なスピードはもう限界が来ています。さっき行った900km/hと言うのは音速(1225km/h 15℃ 1気圧下)のちょい手前の値です。ちなみに、飛行機の巡航中の燃料消費の最大原因である空気抵抗は速度の3乗に効いてくるので、900⇛990km/hに速度を上げると燃料消費が単純計算で1.3倍以上になります。音速ギリギリまで上げると軽く2倍以上の燃料費がかかります。更に、音速を超えると今度は更に衝撃波の問題が発生して機体の耐久性とか騒音に相当気を使わないと運用ができません。事実、昔超音速ジェット機のコンコルドが開発されましたが諸般の事情により今は現役を退いています。よし、じゃあ空に浮いている時間はスピードアップできないから、地上にいる時間を短くしよう、ってなるのですが、空港内の移動に関してはどっちかというと混雑することはあっても空くことはあまり無さそうなので期待できないと思います。今後、画期的なオペレーションが開発されれば変わるかもしれません。じゃあ、搭乗時間はどうだ!ってなると、実はちょっとした解決策があって、サウスウエスト航空では指定席をやめて全て自由席、来た人順に席がとれるというシステムを取ることによって、みんなが急いで乗り込むことを誘い搭乗時間の短縮をしているんだそうです。ちなみに、このシステムのお陰で空港業務の削減もでき、結果的にコスト削減になっているそうです。最後に、手荷物検査にかかる時間ですが、これに関しては新たなテロの手法が考えられてしまって今以上にチェックが厳しくなることはあっても、これから劇的に時間が短縮される方に動く可能性はないと行っていいと思います。
まあ、色々書きましたが、結局のところ、飛行機のスピードアップは多少はするにしても大きな変化は期待できないかな、と思います。ちなみに、空気抵抗が邪魔なら宇宙に行けばええやん。ってことで、大気圏外をミサイルのように飛行する飛行機も発表、と言うか構想は出ていますが、結構先の話だと思いますし、多分今の飛行機のような価格帯では飛べないので別枠と考えたほうがいいかなと思います。っていうか、多分ロケットやスペースシャトルに近い存在になるんだと思います。
で、2ですが、 まず、燃料費ですが今後長い目で見て大幅に値下がりすることは無いでしょう。燃費の向上は未だ道半ばですので、更に数-10数%程度の範囲では値段が下がると思います。ちなみに、一般的な航空会社の全運行費に占める燃料費の割合は30%暗いらしいです。次に人件費ですが、最近登場したLCCでは、徹底的にこの辺を下げています。まずはサービスの質や量を落とすことでCAの人数を減らすことです。ただ、パイロットやCAの最低人数は法律で決められているのである程度より減らすことはできないため、時給単価の低い人材を集めたりとか、飛行機をどんどん飛ばすことやCAに機内清掃を行わせることで拘束時間あたりの稼働率を上げています。後は、機体の値段ですが、これは、今後飛行機の売れる台数が増えて、また最近三菱やホンダがジェット機産業に参入しているように現状の寡占的な状態が崩れれば価格競争により安くなる可能性はあります。ただ、そもそも飛行機の寿命自体が長いので一気に安い機体にそう取っ替え、と言うことは無いでしょう。
以上をまとめると、飛行機はもう既に完成形に近づいちゃってる感があるので、物凄い変革は無さそう。完全自動操縦旅客機とかが誕生すれば一気に崩れるかも?でも、ハッキングによるハイジャックが怖いよねー。みたいな感じですか。
☆船
まさかここで船か、って感じですが、一応船のことも。船の最大のメリットは、大量のものを一度に運べることです。勿論トラックや貨物列車もいっぱい運べますが、大型タンカーや大型貨物船と比べたら全然小さいです。また、飛行機に比べると、大量のものを運んだ場合の燃費は比較にならないくらい小さいものとなります。と、ここまで貨物輸送の話を書きましたが、旅客での話で先のメリットを活かすとなると、豪華客船クルーズくらいしか思いつかないです。ぶっちゃけ、ここで料金だ速度だのという話をするのはちょっと無駄かもしれません。ちなみに、船も水の抵抗が速度の3乗で効いてくるので、大型貨物船なんかだと、わざとゆっくり走って燃料を節約するくらいのことをしているそうです。
今後の伸びしろとしては、船もスピード側にスペックを振ればかなり速い乗り物が作れるので、そういったエリアで戦うのかもしれません。とはいっても、基本的には島と島の移動に限られて、例えば東京大阪間の移動手段のメジャーが船になるということは、富士山大噴火で飛行機も飛べないし東海道新幹線も走らせられないと言った事態が起こらない限り無いでしょう。
☆電車
日本だと今リニアが盛り上がってますが、実はカリフォルニアでもロサンゼルスとサンフランシスコの間を結ぶ高速鉄道の起工式が終わった所でにわかに高速鉄道ブームが来ています。
電車のメリットですが、基本的には鉄道さえひいてしまえば、あと電車を走らせるだけなら物凄く燃費が良いです。また、基本的には専用線を走るのでかなり厳密にダイヤ通りに走らせることができます。 また、専用線であることもあって、かなり高速で走らせることが可能で、リニアでなくても時速300km/h以上、リニアであれば400-500km/hくらいのスピードで走らせることができます。
デメリットとしては、まず線路をひかなければならないこと、その線路も、曲率半径の下限や勾配の上限など自動車道に比べるとかなり制約が厳しいです。また、鉄と鉄が直接触れ合う構造上、メンテナンスをかなり頻繁に行わなければなりません。リニアは浮いているのでその辺がどうなるかはよく分かりません。あとは、鉄道自体は運転手一人で走らせられるにしても、保守や駅員などの人員を配置する必要があり、これがコストとしてかかってしまうことも忘れてはなりません。
今後の伸びしろですが、まず、スピードに関しては、まず最高速度で言うとリニアが登場することにより、ひとまず東京名古屋間での移動時間は一時間を切る、と言う他の交通機関の追随を許さないレベルまで到達します。まあ、この間に関しては飛行機の乗り継ぎがない人がわざわざ飛行機で移動する距離ではそもそも無かったので、客の移動が行われるとは思えませんが…。また他にも、在来線と並走する形での新幹線が徐々に整備されることによって、東京を起点として北陸方面及び北海道の南部への移動時間がかなり短縮されます。北陸方面へは、4時間の壁を切ってくるので飛行機からのお客さんの流入があると思います。北海道に関しては、札幌まではしばらく延伸しないこともあって飛行機からの流入は限定的になるかと思います。むしろ、東京からというよりも東北地方から、そもそも飛行機を使うほどではない距離の代替移動手段として北海道との移動で流入があるんじゃないかと思います(適当)。九州新幹線も整備が進みますが、少なくとも首都圏からの移動に関して影響は限定的で、九州内の移動において在来線や車での移動が新幹線に流入するかと思います。また、これはどの公共交通にも言えることですが、全体的な旅客数が増えることによって運行本数が増え、それによってより利便性が向上してまた旅客数が増える、と言う相乗効果が見込めるんじゃないかと思います。在来線単体にしても、新型車両の投入や急行、特急の設定により、今後ともしばらくは時間距離の短縮は日本各地で起こるものと思われます。
ちなみに、アメリカではカリフォルニア州内以外にも、東海岸でボストンからDCまでを結ぶような高速鉄道の計画が出ています。ただ、アメリカのような人口密度の低い国では東海岸と西海岸のように途中にほとんど何も無いエリアが続く地域を横断して、ある程度乗客数が見込めないと収益が安定しないような高速鉄道がひかれることは当面無いでしょう。と言う意味では、アメリカの長距離鉄道輸送はアムトラックに頼る時代がまだまだ続く、と言うか良くなる予定は無いと思います。
料金が安くなるかどうかですが、本数の増加によってコストメリットが発生するような路線は長期的には安くなるかもしれませんが、あまりそう言う事例を日本国内で聞かないので無いとみたほうがいいと思います。また、自動運転の投入によって、今まで採算性が悪かった部分の改善は行われるかもしれません。いずれにしても切符代が安くなることは無さそうです。
以上を考えると、スピードで徐々に飛行機に肉薄していくこと、もしくは、飛行機と勝負できるような区間が増加することは間違いないと思います。ただ、あくまでもこれは国内だけでの話で当然日本から海外へ出て行くような鉄道路線はひかれないのでそこに関しては飛行機と戦う日は来ないでしょう。
☆バス
バスのメリットは、とりあえず道路が繋がっていれば、バス停のポールを立ててバス買ってくるだけで新しい路線が引けること、時間によって微妙に運行経路の違う路線設定をしたり、24時間の運行をしても路面保守とかの心配をしなくていいことが挙げられます。デメリットとしては、他の公共交通に比べると運転手一人あたりの輸送可能人数が少ないことと渋滞などの影響を受けてしまうため定時運行が約束はできないということが挙げられます。また、鉄道に比べるとエコではない、と言うのも問題です。
バスの今後としては、スピードアップは(高速バスに関してだけですが)高速道路の拡張・延伸にかかっています。多分バスの最高速度が早くなることは無いので…。直近で見ると、第二東名高速が徐々にできつつあるので、東京-大阪間のバス運行に関しては渋滞緩和の影響を含めて今後10年くらいで平均1時間近く短縮されるかなと予想しています。都市内バスに関してはスピードアップはほぼ無いでしょう。渋滞緩和されれば平均到達時間に関しては改善がされるかもしれませんが。
値段ですが、2つ要因があって改善されるかもしれません。1つは、バスの大型化です。と市内交通においても、2台連結バスの投入によってより効率的な運行がされるようになり、結果として大幅なコストダウンが出来るかもしれません。2つ目は、自動運転です。都市内の交通は複雑なのでなかなか自動運転が進まないかもしれませんが、とはいっても毎回同じ経路を走るバスですので、一般的な乗用車に比べると自動化がしやすい分野だと思います。また、都市間高速バスに関しては、高速道路を巡航している間は自動運転化がかなりやりやすいと思いますので、その区間に関しては思い切って乗務員を無くしてしまったり、若しくは乗務員も睡眠がとれるようにして、人件費の節約をしていくことが可能なのでは無いかと思います。また、車と同様に燃費の改善余裕はまだまだある分野なので、そういった意味でコスト改善が進み、結果として料金が安い手段が出てくる可能性はあります。
まとめると、多分、これからコンスタントに徐々に徐々にではありますが、利便性やコストの面で改善がはかられる分野かなと思うので期待できると思います。当然飛行機と戦う乗り物ではありませんので、基本的には鉄道と競合していく分野です。
☆車
車のメリットは、とにかく道路さえあれば(最悪無くても)どこへでも行けること、好きな時間に出発して好きな場所に寄り道して移動ができる事です。デメリットとしては、維持費がかかるということ、エコ出ないということがあります。
伸びしろとしては、スピードアップは上述のバスと同様に、道路事情に大きく依存する形になると思います。
値段に関しては、低燃費化によるコストダウンが大きな要因になると思います。また、それ以外にも、自動運転や運転補助による利便性の向上には大きな期待ができます。また、運転補助機能により、今よりも劇的に事故率が下がれば、保険料などが結果的に引き下げられ、コストダウンに繋がる可能性もあります。
車は今もかなりのスピードで進歩が進んでいるジャンルで、特に快適性と燃費性能は日々進歩しています。とは言え他の移動手段に比べるとエコとは程遠い存在なので、メジャーになることはなく、また無くなることはない分野なんじゃないかと思います。
余談ですが、パーソナルモビリティについて。今道路を走っている車の平均乗車人数って実は2人を下回っているそうです。ただ、実際の乗用車はだいたい5人以上乗り、軽でも4人乗り以上なので、実際ほとんど後部座席は不要なのにもかかわらず無駄に引っ張って走っている状態なのです。そういった問題を解決するために、国土交通省や経産省主導で、軽自動車よりも小さい規格の、少人数乗りのモビリティの開発が進んでいます。トヨタ車体のコムスなどがその典型例で、1人、若しくは2人乗りの乗り物になっています。近距離の移動はそう言う乗り物に依存する形になっていく、と言う可能性は今後あります。
☆ワープ
最後はワープです。ワープとは空間を歪曲させて場所と場所を直接つなげる技術のことですが、そのことではありません。いわゆるネットを使った擬似的な移動です。
つまり、ただ話をするだけなら、わざわざ車に乗ってその人の所に行かなくても、電話すればいいわけです、顔を見ないと!と思うなら、Skypeをすればいいわけですし、資料を共有したければメールでいいわけです。買い物にしても、ネットで注文して届けてもらえばわざわざ出かけるよりも結果的に道路の上の車の数は減らせますし、本を買っていた所を電子書籍にしてしまえばそもそも届けて貰う必要さえありません。DVDも、CDもそうです。
実際、仕事にしても最近はテレワークと言うジャンルが出てきていて、ネット越しに仕事を受けて自分は身体としてははるか遠くにいるのに仕事をすることが出来る、という環境が整ってきました。そうでなくても、昔から電話サポートなんかは地方の人件費と地価が安いエリアに委託する、と言う手法が取られています。自宅から出ないで仕事をする、と言う環境がどんどん整っていけば、わざわざ大混雑の通勤電車に乗る必要もないし、そもそも地方には仕事がないからといって東京に出ていく必要もなくなります。沖縄でも北海道でも本当に住みたい所に住んでそっから仕事すればいいんです。
で、その分野も、セキュリティの面だったりとか会社内の制度上の問題だったりとかが徐々に解決されてきて今後どんどん広まってくると思います。それにともなって、通信端末の最適化などが進み、もっとテレワークしやすくなると思います。例えばgoogleグラスのようなウェアラブル端末を使って現場の情報を共有しながらオペレーターは遠隔地から対応する、なんてのもそのうちの一つです。
また、これからは、ロボットを使ったテレオペレーションが進んできます。この分野はこれまでは火星とか、深海とか、原発内とかの、人が行けない分野に限られて使われてきましたが、ロボットの低価格化などが進んだことにより、そうでないエリアでも徐々に使われてきています。一番有名な分野で行くと、テレプレゼンスロボットのBEAMというもので、これはカメラとディスプレイを搭載した台車を操作することで、実際にそこにいるかのように、自分で移動してそこで会話ができるというものです。学会なんかの用途での利用が期待されています。
今後、このようなロボットに腕などを搭載することによって、ただ会話するだけではなく、そこで作業をするといったことができるようになるかもしれません。
個人的にはこの分野の拡大には物凄い期待をしています。自宅で働く人が10%くらいを占めるようになれば、東京の通勤ラッシュも行くぶんかは改善されるでしょうし、一日中家で作業はできないにしても、一部の時間自宅作業をして通勤ラッシュからはずした時差通勤を出来るようになれば、それはそれでラッシュの改善になります。
究極の移動手段とは、っていうことを考えると、やっぱり最終的には最後のワープ的な所に落ち着くんじゃないかなと思います。実際、時々「今日やった仕事は全部言えでPCさえあればできたんじゃなかろうか…。」っていう日も月に何日かはあります。少なくとも朝イチで来る必要はなかったな。と。
これが本格的に普及して、仕事はおうち、学校も行かないでおうちで勉強、もちろん塾も、っていう状況になると、今度は電車のあり方が変わってくるんじゃないかと思います。(こどもは学校に行って友達と遊べよっていう人もいるかもしれませんが、将来、そのへんもバーチャルリアリティのデバイスが開発されてあたかも友達が隣にいて一緒にサッカーボールを蹴っているというような体験が家でできる日が来ちゃうかもしれません。)
そうなると、電車はわざわざ車窓を眺めるために乗りに行くもの、もしくは旅行のために乗るものになっていくかもしれません。電車の本数は今よりも減るので小型モビリティだったり電動自転車だったりでの移動が増えて、短距離はそういうもの、中距離は電車、長距離は飛行機、みたいにきっちりと棲み分けされた世界がやってくるのかもしれません。
まあともかく、日本は資源が乏しい国なので、テレワークなりなんなりでもう少し移動に関わる燃料消費が抑えられるようになるといいんじゃないかな、と思います。
最後に:通勤時間運転するのめんどくさいからうちの会社もテレワーク導入してくんないかなー。
以上。長々失礼しました。
言うまでもなく、アメリカは世界一の先進国ですが、ほとんどのエリアではと言うか全てのエリアでかも知れませんが、公共交通機関の利便性は劣っています。電車の本数は少ないし時間通りに来ないし中の治安と言うか空気が悪かったり…。唯一優っているところは飛行機網ですね。これは逆に比較の仕様がないくらい凄いです。日本では考えられないくらいのでっかい空港がアメリカには何箇所もあります。
今ある色んな交通手段が今後どうなっていくか、あと、どういう成長余地があるのかをちょっとまじめに考えてみたいと思います。ちなみに、基本的には旅客輸送の話だけを考えます。
☆飛行機
飛行機のメリットはたくさんありますが、一つはスピードです。飛行機の巡航速度は対大気速度で900km/hにもなり、新幹線の3倍の速度で飛んでいます。しかも、地上の地形の影響を(ほぼ)受けないので空港から空港へ一直線に飛んで行けます。これによって実際以上に他の乗り物よりも速く目的地につけます。 また、道路や線路を必要としないことから、新しくここからここへの路線を作ろう!ッて思った時に、さくっとそこを飛ばすだけでできちゃうのもメリットです。実際には両方の空港に離着陸できる機体を調達したりといった作業が必要にはなりますが、何年もかかって線路をひいたりする作業に比べれば格段に楽でしょう。また、他の公共交通機関より燃費が悪いとはいえ、自動車よりは一人あたりにかかる燃料費が安いのもメリットです。
デメリットですが、まずは、空港が無いと基本的に離着陸できないことです。また、遠くから直行便を出そうとするとその距離を飛べる大きさの飛行機をあてなければならず、そのサイズの飛行機が離着陸できるサイズの空港を作らなければならない、と言うことになります。次の悪いところは、天候などの外的要因にダイヤが影響されやすいことです。また、機体のトラブルなどにより飛べない、と言う自体も他の交通手段に比べたら頻繁に起こります。また、搭乗や滑走路内での待機などでかなり時間を費やしてしまうことや、空港までの移動やチェックイン、手荷物検査などで時間を撮られることも問題です。東京大阪間だと、飛行機に乗っている時間は新幹線の半分くらいなのに、実際に目的地に着くのは新幹線より遅い、なんて事にもなります。あとは、荷物の量に制限があることとかでしょうか。
さて、今後の飛行機の伸びしろですが、1.速さ(早さ)、2.料金、の二点で考えたいと思います。
まず、1ですが、旅客機と言う点で考えると、単純なスピードはもう限界が来ています。さっき行った900km/hと言うのは音速(1225km/h 15℃ 1気圧下)のちょい手前の値です。ちなみに、飛行機の巡航中の燃料消費の最大原因である空気抵抗は速度の3乗に効いてくるので、900⇛990km/hに速度を上げると燃料消費が単純計算で1.3倍以上になります。音速ギリギリまで上げると軽く2倍以上の燃料費がかかります。更に、音速を超えると今度は更に衝撃波の問題が発生して機体の耐久性とか騒音に相当気を使わないと運用ができません。事実、昔超音速ジェット機のコンコルドが開発されましたが諸般の事情により今は現役を退いています。よし、じゃあ空に浮いている時間はスピードアップできないから、地上にいる時間を短くしよう、ってなるのですが、空港内の移動に関してはどっちかというと混雑することはあっても空くことはあまり無さそうなので期待できないと思います。今後、画期的なオペレーションが開発されれば変わるかもしれません。じゃあ、搭乗時間はどうだ!ってなると、実はちょっとした解決策があって、サウスウエスト航空では指定席をやめて全て自由席、来た人順に席がとれるというシステムを取ることによって、みんなが急いで乗り込むことを誘い搭乗時間の短縮をしているんだそうです。ちなみに、このシステムのお陰で空港業務の削減もでき、結果的にコスト削減になっているそうです。最後に、手荷物検査にかかる時間ですが、これに関しては新たなテロの手法が考えられてしまって今以上にチェックが厳しくなることはあっても、これから劇的に時間が短縮される方に動く可能性はないと行っていいと思います。
まあ、色々書きましたが、結局のところ、飛行機のスピードアップは多少はするにしても大きな変化は期待できないかな、と思います。ちなみに、空気抵抗が邪魔なら宇宙に行けばええやん。ってことで、大気圏外をミサイルのように飛行する飛行機も発表、と言うか構想は出ていますが、結構先の話だと思いますし、多分今の飛行機のような価格帯では飛べないので別枠と考えたほうがいいかなと思います。っていうか、多分ロケットやスペースシャトルに近い存在になるんだと思います。
で、2ですが、 まず、燃料費ですが今後長い目で見て大幅に値下がりすることは無いでしょう。燃費の向上は未だ道半ばですので、更に数-10数%程度の範囲では値段が下がると思います。ちなみに、一般的な航空会社の全運行費に占める燃料費の割合は30%暗いらしいです。次に人件費ですが、最近登場したLCCでは、徹底的にこの辺を下げています。まずはサービスの質や量を落とすことでCAの人数を減らすことです。ただ、パイロットやCAの最低人数は法律で決められているのである程度より減らすことはできないため、時給単価の低い人材を集めたりとか、飛行機をどんどん飛ばすことやCAに機内清掃を行わせることで拘束時間あたりの稼働率を上げています。後は、機体の値段ですが、これは、今後飛行機の売れる台数が増えて、また最近三菱やホンダがジェット機産業に参入しているように現状の寡占的な状態が崩れれば価格競争により安くなる可能性はあります。ただ、そもそも飛行機の寿命自体が長いので一気に安い機体にそう取っ替え、と言うことは無いでしょう。
以上をまとめると、飛行機はもう既に完成形に近づいちゃってる感があるので、物凄い変革は無さそう。完全自動操縦旅客機とかが誕生すれば一気に崩れるかも?でも、ハッキングによるハイジャックが怖いよねー。みたいな感じですか。
☆船
まさかここで船か、って感じですが、一応船のことも。船の最大のメリットは、大量のものを一度に運べることです。勿論トラックや貨物列車もいっぱい運べますが、大型タンカーや大型貨物船と比べたら全然小さいです。また、飛行機に比べると、大量のものを運んだ場合の燃費は比較にならないくらい小さいものとなります。と、ここまで貨物輸送の話を書きましたが、旅客での話で先のメリットを活かすとなると、豪華客船クルーズくらいしか思いつかないです。ぶっちゃけ、ここで料金だ速度だのという話をするのはちょっと無駄かもしれません。ちなみに、船も水の抵抗が速度の3乗で効いてくるので、大型貨物船なんかだと、わざとゆっくり走って燃料を節約するくらいのことをしているそうです。
今後の伸びしろとしては、船もスピード側にスペックを振ればかなり速い乗り物が作れるので、そういったエリアで戦うのかもしれません。とはいっても、基本的には島と島の移動に限られて、例えば東京大阪間の移動手段のメジャーが船になるということは、富士山大噴火で飛行機も飛べないし東海道新幹線も走らせられないと言った事態が起こらない限り無いでしょう。
☆電車
日本だと今リニアが盛り上がってますが、実はカリフォルニアでもロサンゼルスとサンフランシスコの間を結ぶ高速鉄道の起工式が終わった所でにわかに高速鉄道ブームが来ています。
電車のメリットですが、基本的には鉄道さえひいてしまえば、あと電車を走らせるだけなら物凄く燃費が良いです。また、基本的には専用線を走るのでかなり厳密にダイヤ通りに走らせることができます。 また、専用線であることもあって、かなり高速で走らせることが可能で、リニアでなくても時速300km/h以上、リニアであれば400-500km/hくらいのスピードで走らせることができます。
デメリットとしては、まず線路をひかなければならないこと、その線路も、曲率半径の下限や勾配の上限など自動車道に比べるとかなり制約が厳しいです。また、鉄と鉄が直接触れ合う構造上、メンテナンスをかなり頻繁に行わなければなりません。リニアは浮いているのでその辺がどうなるかはよく分かりません。あとは、鉄道自体は運転手一人で走らせられるにしても、保守や駅員などの人員を配置する必要があり、これがコストとしてかかってしまうことも忘れてはなりません。
今後の伸びしろですが、まず、スピードに関しては、まず最高速度で言うとリニアが登場することにより、ひとまず東京名古屋間での移動時間は一時間を切る、と言う他の交通機関の追随を許さないレベルまで到達します。まあ、この間に関しては飛行機の乗り継ぎがない人がわざわざ飛行機で移動する距離ではそもそも無かったので、客の移動が行われるとは思えませんが…。また他にも、在来線と並走する形での新幹線が徐々に整備されることによって、東京を起点として北陸方面及び北海道の南部への移動時間がかなり短縮されます。北陸方面へは、4時間の壁を切ってくるので飛行機からのお客さんの流入があると思います。北海道に関しては、札幌まではしばらく延伸しないこともあって飛行機からの流入は限定的になるかと思います。むしろ、東京からというよりも東北地方から、そもそも飛行機を使うほどではない距離の代替移動手段として北海道との移動で流入があるんじゃないかと思います(適当)。九州新幹線も整備が進みますが、少なくとも首都圏からの移動に関して影響は限定的で、九州内の移動において在来線や車での移動が新幹線に流入するかと思います。また、これはどの公共交通にも言えることですが、全体的な旅客数が増えることによって運行本数が増え、それによってより利便性が向上してまた旅客数が増える、と言う相乗効果が見込めるんじゃないかと思います。在来線単体にしても、新型車両の投入や急行、特急の設定により、今後ともしばらくは時間距離の短縮は日本各地で起こるものと思われます。
ちなみに、アメリカではカリフォルニア州内以外にも、東海岸でボストンからDCまでを結ぶような高速鉄道の計画が出ています。ただ、アメリカのような人口密度の低い国では東海岸と西海岸のように途中にほとんど何も無いエリアが続く地域を横断して、ある程度乗客数が見込めないと収益が安定しないような高速鉄道がひかれることは当面無いでしょう。と言う意味では、アメリカの長距離鉄道輸送はアムトラックに頼る時代がまだまだ続く、と言うか良くなる予定は無いと思います。
料金が安くなるかどうかですが、本数の増加によってコストメリットが発生するような路線は長期的には安くなるかもしれませんが、あまりそう言う事例を日本国内で聞かないので無いとみたほうがいいと思います。また、自動運転の投入によって、今まで採算性が悪かった部分の改善は行われるかもしれません。いずれにしても切符代が安くなることは無さそうです。
以上を考えると、スピードで徐々に飛行機に肉薄していくこと、もしくは、飛行機と勝負できるような区間が増加することは間違いないと思います。ただ、あくまでもこれは国内だけでの話で当然日本から海外へ出て行くような鉄道路線はひかれないのでそこに関しては飛行機と戦う日は来ないでしょう。
☆バス
バスのメリットは、とりあえず道路が繋がっていれば、バス停のポールを立ててバス買ってくるだけで新しい路線が引けること、時間によって微妙に運行経路の違う路線設定をしたり、24時間の運行をしても路面保守とかの心配をしなくていいことが挙げられます。デメリットとしては、他の公共交通に比べると運転手一人あたりの輸送可能人数が少ないことと渋滞などの影響を受けてしまうため定時運行が約束はできないということが挙げられます。また、鉄道に比べるとエコではない、と言うのも問題です。
バスの今後としては、スピードアップは(高速バスに関してだけですが)高速道路の拡張・延伸にかかっています。多分バスの最高速度が早くなることは無いので…。直近で見ると、第二東名高速が徐々にできつつあるので、東京-大阪間のバス運行に関しては渋滞緩和の影響を含めて今後10年くらいで平均1時間近く短縮されるかなと予想しています。都市内バスに関してはスピードアップはほぼ無いでしょう。渋滞緩和されれば平均到達時間に関しては改善がされるかもしれませんが。
値段ですが、2つ要因があって改善されるかもしれません。1つは、バスの大型化です。と市内交通においても、2台連結バスの投入によってより効率的な運行がされるようになり、結果として大幅なコストダウンが出来るかもしれません。2つ目は、自動運転です。都市内の交通は複雑なのでなかなか自動運転が進まないかもしれませんが、とはいっても毎回同じ経路を走るバスですので、一般的な乗用車に比べると自動化がしやすい分野だと思います。また、都市間高速バスに関しては、高速道路を巡航している間は自動運転化がかなりやりやすいと思いますので、その区間に関しては思い切って乗務員を無くしてしまったり、若しくは乗務員も睡眠がとれるようにして、人件費の節約をしていくことが可能なのでは無いかと思います。また、車と同様に燃費の改善余裕はまだまだある分野なので、そういった意味でコスト改善が進み、結果として料金が安い手段が出てくる可能性はあります。
まとめると、多分、これからコンスタントに徐々に徐々にではありますが、利便性やコストの面で改善がはかられる分野かなと思うので期待できると思います。当然飛行機と戦う乗り物ではありませんので、基本的には鉄道と競合していく分野です。
☆車
車のメリットは、とにかく道路さえあれば(最悪無くても)どこへでも行けること、好きな時間に出発して好きな場所に寄り道して移動ができる事です。デメリットとしては、維持費がかかるということ、エコ出ないということがあります。
伸びしろとしては、スピードアップは上述のバスと同様に、道路事情に大きく依存する形になると思います。
値段に関しては、低燃費化によるコストダウンが大きな要因になると思います。また、それ以外にも、自動運転や運転補助による利便性の向上には大きな期待ができます。また、運転補助機能により、今よりも劇的に事故率が下がれば、保険料などが結果的に引き下げられ、コストダウンに繋がる可能性もあります。
車は今もかなりのスピードで進歩が進んでいるジャンルで、特に快適性と燃費性能は日々進歩しています。とは言え他の移動手段に比べるとエコとは程遠い存在なので、メジャーになることはなく、また無くなることはない分野なんじゃないかと思います。
余談ですが、パーソナルモビリティについて。今道路を走っている車の平均乗車人数って実は2人を下回っているそうです。ただ、実際の乗用車はだいたい5人以上乗り、軽でも4人乗り以上なので、実際ほとんど後部座席は不要なのにもかかわらず無駄に引っ張って走っている状態なのです。そういった問題を解決するために、国土交通省や経産省主導で、軽自動車よりも小さい規格の、少人数乗りのモビリティの開発が進んでいます。トヨタ車体のコムスなどがその典型例で、1人、若しくは2人乗りの乗り物になっています。近距離の移動はそう言う乗り物に依存する形になっていく、と言う可能性は今後あります。
☆ワープ
最後はワープです。ワープとは空間を歪曲させて場所と場所を直接つなげる技術のことですが、そのことではありません。いわゆるネットを使った擬似的な移動です。
つまり、ただ話をするだけなら、わざわざ車に乗ってその人の所に行かなくても、電話すればいいわけです、顔を見ないと!と思うなら、Skypeをすればいいわけですし、資料を共有したければメールでいいわけです。買い物にしても、ネットで注文して届けてもらえばわざわざ出かけるよりも結果的に道路の上の車の数は減らせますし、本を買っていた所を電子書籍にしてしまえばそもそも届けて貰う必要さえありません。DVDも、CDもそうです。
実際、仕事にしても最近はテレワークと言うジャンルが出てきていて、ネット越しに仕事を受けて自分は身体としてははるか遠くにいるのに仕事をすることが出来る、という環境が整ってきました。そうでなくても、昔から電話サポートなんかは地方の人件費と地価が安いエリアに委託する、と言う手法が取られています。自宅から出ないで仕事をする、と言う環境がどんどん整っていけば、わざわざ大混雑の通勤電車に乗る必要もないし、そもそも地方には仕事がないからといって東京に出ていく必要もなくなります。沖縄でも北海道でも本当に住みたい所に住んでそっから仕事すればいいんです。
で、その分野も、セキュリティの面だったりとか会社内の制度上の問題だったりとかが徐々に解決されてきて今後どんどん広まってくると思います。それにともなって、通信端末の最適化などが進み、もっとテレワークしやすくなると思います。例えばgoogleグラスのようなウェアラブル端末を使って現場の情報を共有しながらオペレーターは遠隔地から対応する、なんてのもそのうちの一つです。
また、これからは、ロボットを使ったテレオペレーションが進んできます。この分野はこれまでは火星とか、深海とか、原発内とかの、人が行けない分野に限られて使われてきましたが、ロボットの低価格化などが進んだことにより、そうでないエリアでも徐々に使われてきています。一番有名な分野で行くと、テレプレゼンスロボットのBEAMというもので、これはカメラとディスプレイを搭載した台車を操作することで、実際にそこにいるかのように、自分で移動してそこで会話ができるというものです。学会なんかの用途での利用が期待されています。
今後、このようなロボットに腕などを搭載することによって、ただ会話するだけではなく、そこで作業をするといったことができるようになるかもしれません。
個人的にはこの分野の拡大には物凄い期待をしています。自宅で働く人が10%くらいを占めるようになれば、東京の通勤ラッシュも行くぶんかは改善されるでしょうし、一日中家で作業はできないにしても、一部の時間自宅作業をして通勤ラッシュからはずした時差通勤を出来るようになれば、それはそれでラッシュの改善になります。
究極の移動手段とは、っていうことを考えると、やっぱり最終的には最後のワープ的な所に落ち着くんじゃないかなと思います。実際、時々「今日やった仕事は全部言えでPCさえあればできたんじゃなかろうか…。」っていう日も月に何日かはあります。少なくとも朝イチで来る必要はなかったな。と。
これが本格的に普及して、仕事はおうち、学校も行かないでおうちで勉強、もちろん塾も、っていう状況になると、今度は電車のあり方が変わってくるんじゃないかと思います。(こどもは学校に行って友達と遊べよっていう人もいるかもしれませんが、将来、そのへんもバーチャルリアリティのデバイスが開発されてあたかも友達が隣にいて一緒にサッカーボールを蹴っているというような体験が家でできる日が来ちゃうかもしれません。)
そうなると、電車はわざわざ車窓を眺めるために乗りに行くもの、もしくは旅行のために乗るものになっていくかもしれません。電車の本数は今よりも減るので小型モビリティだったり電動自転車だったりでの移動が増えて、短距離はそういうもの、中距離は電車、長距離は飛行機、みたいにきっちりと棲み分けされた世界がやってくるのかもしれません。
まあともかく、日本は資源が乏しい国なので、テレワークなりなんなりでもう少し移動に関わる燃料消費が抑えられるようになるといいんじゃないかな、と思います。
最後に:通勤時間運転するのめんどくさいからうちの会社もテレワーク導入してくんないかなー。
以上。長々失礼しました。
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