どうしたら愛知の交通死亡事故死者数を1位じゃなくできるか?

 世の中には如何にも数学・統計的に正しそうなことを言っていて、とは言いつつもよくよく考えると怪しいなぁ。って話がいっぱいあるので、ちょっとシリーズにして書いてみたいと思います。

どうしたら愛知の交通死亡事故死者数を1位じゃなくできるか?

 第一弾は、「どうやったら愛知県の交通死亡事故死者数を1位じゃなくできるか?」です。
 愛知県は言わずと知れた自動車社会で、交通死亡事故死者数も何年か連続で全国一位、googleで名古屋走りと検索するとずらっと検索結果が出てきます。
 
 まず、この事実について、データで確認してみたいと思います。
 上のグラフは警視庁HPに載っていた県別交通死亡事故死者数をエクセルでグラフ化したものです。最新の公開されているデータは24年のものだったので若干古いですが、まあいいでしょう。ちゃんと、愛知県が1位を獲得しています。他には静岡や北海道なんかが上位に位置しています。静岡が上位に位置していることからも分かるように、愛知や静岡は東名高速が走っているため、県民だけじゃなく、他の県から通行する車の事故もカウントに入ってしまうため、若干不利な環境にあります。でもその件は今回は置いておきましょう。


人口10万人当りの交通死亡事故死者数(警視庁HPデータ及び政府統計局データより)
交通死亡事故死者数が一番多い≠交通事故の確率が高い

さて、次のグラフはさっきのグラフのデータを各県の人口で割ったグラフで、「人口10万人当りの交通死亡事故死者数」を表しています。人口統計データと実は年が1年ずれているんですが、その辺は誤差だと思って下さい。
平成24年度県別交通死亡事故死者数(警視庁HPより)
こうやって見ると、愛知県の結果がだいぶ少ない値になってしまい、愛知より少ない都道府県は、東京都、埼玉県、神奈川県、京都府、大阪府、福岡県しかなくなってしまいます。逆にさっきのグラフでは全然目立っていなかった福井と徳島が突如としてランキング上位に食い込んできます。これらの県では、「そこで生活していると交通死亡事故死者数にあう確率が高い」と言えます。

 かと言って、県内で発生する事故数の絶対数だって少ないほうが良いわけなので、これをもって愛知はもう交通死亡事故死者数を減らす努力をしなくていいとか、危なっかしいから福井には近寄らないほうがいいとかいうことではありません。(僕は愛知県民ですが、親の実家は福井です)

 さて、一番最初の疑問?の結論ですが、一番簡単なソリューションは、愛知県を2つの県に分割することです。 そもそも自動車社会なのにもかかわらず、全国4位の人口を抱える愛知県は潜在的に不利なんです。なので、尾張県と三河県に分けちゃいましょう。そうすれば、1位ではなくなるはずです。

統計マジックの功罪

 余談ですが、愛知県民の中には、「これは意図的に愛知県をおとしめようとした誰かが情報操作をしているに違いない!!」と思う人もいるかもしれません。ただ、この「愛知県が今年も交通死亡事故死者数全国一位」っていう情報はほぼ毎回愛知県警から発表されているんです。つまり、愛知県が自ら進んで汚名をかぶっているということになります。これは、結局のところ、愛知県警が県内の交通事故を減らすキャッチコピーとして、「全国ワースト1位返上!」というものを使うために行われている部分があるためです。
 その結果として、このキャッチコピーを使い始めてから10年間で交通死亡事故死者数を半分に減らすことができているそうです。
 ただ、逆に交通事故率の高い都道府県において危険への認識を阻害することになっている可能性もあるので、一長一短と言えます。

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