セブンドリーマーズラボラトリーズ破綻に見るロボットビジネスの難しさ

4月23日、セブンドリーマーズラボラトリーズが破綻しました。
全自動洗濯物たたみ機「ランドロイド」の開発で有名で、僕もかつてこのブログで取り上げました。

すでに色々なサイトで分析?がされていますが、このサイトの内容が真実みたいです。
畳めなかったエアリズム 全自動折り畳み機、事業解散へ 
このサイトによると、
"「私はひとまず発売すればいいと思うんですが……」。1年余り前、阪根社長は日経ビジネスの取材に応じ、そう漏らした。ロボットアームの開発に苦戦しているという。アームは様々な種類の布を持ち上げられるが、どうしてもつかめない素材があるとのことだった。
 それが、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の人気商品「AIRism(エアリズム)」だった。シルクのような肌触りが特徴だが、それだけにロボットアームが扱うのが難しかった。完全な製品を世に出したいと考えるパナソニックは、この点を重く受け止め、発売に難色を示したという。破産手続きの開始を受けて、「ランドロイドの事業は解散する」(セブン・ドリーマーズ広報)。"
とのことです。

まず、ランドロイドの提供する価値は、洗濯乾燥機で洗い終わった洋服やタオルを自動で掴み、洗濯の完全自動化を実現することです。これは、「洗濯と乾燥は全自動になったけど、結局畳むのはめんどくさい!」と言うニーズに応えるもので、家事のラストワンマイルを埋めることができると期待していました。ゆくゆくは、食器洗い乾燥機からお皿を取り出して棚にしまうとか、掃除機からごみを抜き出してごみ箱に捨てるとか、そういうあとちょっとで全自動なのに!という分野を埋めに行く重要な技術領域だと期待していました。

ということで、今は存在しないカテゴリですが、実現した暁には白物家電の延長として販売されるべきものであるので、資金調達先として、パナソニックのような家電で有名な企業と組むことは、事業シナジーの上でも、技術開発の上でも重要であったに違いありません。

ただし、このジャンルは、カタログスペック(や、消費者が勝手に予測している能力)が出せないと「やっぱりロボットではだめだよな」「〇〇社の技術ではこの程度か」というレッテルと言うか悪評がついてしまうので、逆に、それを恐れたパナソニックがついたことで、事業的な足かせがついてしまったのかと思います。

こういう新しいジャンルの開拓は、当然リスクがあるのでベンチャーでこそやるべきであり、ベンチャーにしかできないので、非常に残念でした。ベンチャーに対して、下手に知見や知識がある事業会社が口を出してしまうと、リリースのスピードが落ちてしまうんだな。ということが明らかになってしまいました。かといって、リリースしていたらリコールの嵐でとっくにつぶれてしまっていたかもしれませんし、そちら側の未来は観測不能な事象なので検討できません。自分自身、大手メーカーで勤め、ベンチャーを立ち上げた身なので両方の考え方を知っているつもりですが、難しいですね。

この件から学ぶべきことは、経営者と出資先の見ている世界や求めている出口は違う可能性があるので、そこを共有できるパートナーから出資を受けられるように事前に調整や相談をすることや、意見が異なっても意見を貫けるように出資比率をコントロールする資本計画の重要性かな、と思います。

記事の内容が真実だとすると、ある一定の範囲では技術が確立されているようなので、今後、事業譲渡先などで実用化がなされるかもしれません。今後の動きも要チェックですね。

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